JIA兵庫｜社団法人 日本建築家協会 近畿支部兵庫会

大阪府岸和田市
「普通の家でいいです」という施主の言葉から家づくりがスタートしました。縁側の深い庇は日差しの調節はもちろん、室内に不思議と安心感を与えます。無垢の木材と共に左官職人が何度も塗り重ねた厚塗り壁は湿度の高い季節でもひんやりとした空気を作り出してくれます。以前からそこにあったような佇まいのこの家は、日本の気候風土にあった普通の家として、住まい手をやさしく包み込んでいる。

大阪府八尾市
閑静な住宅街に建つ、モダンでありながら昔ながらの日本の家づくりを取り入れた住宅。吹き抜けをもつ広い玄関土間から茶の間に入ると、そこには天井高を抑えた座の空間が広がり2mのコンクリート塀に囲われた緑豊かな庭との一体感を感じることができます。室内は雪見障子を通して落ち着いた光に包まれています。漆喰を塗った壁は調湿性をもつだけでなく、昼の日差しと夜の照明の光それぞれの表情をみせてくれます。

大阪府豊中市
豊中の家の外壁と内壁に使用しているのは、砂と古土を混ぜた土佐じっくい。それをスタイロフォームでこすって表情をつけています。黒い杉板張りとのコントラストは、古い蔵を思わせています。大きな塗壁に包まれた住まいは、呼吸する素材であることや厚みのある素材感により、とても落ち着いた空間になっています。

兵庫県西宮市
敷地は傾斜地に住宅が並ぶ西宮の山手、南側は海まで景色が広がっています。前面道路より敷地がかなり下がっていることをいかし、1階は地下の要素のある落ち着いた和室と寝室をつくり、2・3階は対照に遠景を望む開放的な間取りとしました。場所の特性を理解し建物をあまりそびえ立たせずに計画することで、住まいを街並みの中に自然に溶け込ませることに繋がったと思います。