アーキテクツサロン -JIA兵庫のイベント情報-

アーキテクツサロンについて -ABOUT ARCHITECTS SALON-

アーキテクツサロンとは、JIA兵庫地域会が主催する講演会でこれまでに100回を超える回数を数えています。
建築家による建築家のための建築セミナーとして、ベテラン建築家の仕事から若手の活動発表まで世代を超えた繋がりと批評の場として、主に神戸市内の会場で開催されています。
2010年度、第99回より「建築家の系譜」としてシリーズ化し、建築家の師弟関係や人間関係から連なる、建築作品の裏側にまつわるエピソードや歴史的な事実を垣間見ることで、次代の若い世代にも受け継がれるべき人と人との絆、建築と社会の関わりなどを伝えていければと思っています。
また、建築という狭い視野だけにとらわれずアートやモノづくり、語り継がれ受け継がれる伝統や歴史など、建築との脈絡を発見させてくれるようなテーマも盛り込みたいと思います。
建築やデザインを学ぶ学生の方や若い建築事務所スタッフを始めとした、より幅広い一般市民の方々にも足を運んでもらえるような企画と広報活動をすすめています。


「建築家の系譜」シリーズ -SERIES OF ARCHITECTS GENEALOGY-


第101回矢田朝士氏(ATELIER-ASH代表)、木村吉成氏、松本尚子氏、阿曽芙実氏

タイトル 第一部:「まなざしの向こう側」
第二部:矢田朝士・阿曽芙実氏・木村吉成氏・松本尚子氏によるトークセッション
日時 2011年7月15日(金)18:00〜20:00
会場 兵庫県民会館(303)

101回アーキテクトサロン「まなざしの向こう側」
 第101回のアーキテクツサロンは、故石井修氏からの脈絡で無有建築工房の竹原義二氏に続いて、無有建築工房で修行を積まれた矢田朝士氏を招いて「まなざしの向こう側」と言うテーマで修業時代と重ねて自身の建築観、世界観をお話頂いた。
旅を通して様々な場面や空気を敏感に感じ取り、心の中に確実に刻まれている事象が矢田氏の建築の原点になっているという。素材に拘り、自然や季節感を許容し向き合える距離を自身が明確に持っており、クライアントが受け入れる事ができる環境を着実に共有していると言う話しは大変興味深く、快適な空間とは?湿度や風や音の気配が心地良い空間とは?等々、昨今の性能表示や数字で安心を提供している住宅メーカーやマニュアルと対極にある建築を感じた。

 第2部は、矢田氏を交えて阿曽芙美氏、木村吉成氏+松本尚子氏4人のトークセッションで、会場のゲストも参加しながらの鼎談で若手にとっては新鮮な講演会と映ったようである。
各々各自が持ち寄った写真を矢田氏が質問や想いを聞き出す形で、木村氏、松本氏は、それぞれの建築を考える思考や、面白かったり感動をする場面が些細な日常風景の中や生活の中に見出している事や、植物や動物の無造作な仕草が建築を考える上でのインスピレーションになっていると言う。阿曽氏は漠然とユラユラ、自身の中にある記憶や素材や出来事を様々なキッカケから答えを導いていくような組立をおこなっているようで、形や色が最初にある訳ではなく素材や仕上げの経年変化による美しさが何処まで担保されるのかと言うような厳しい目でモノ作りに取り組んでいる姿勢を語られた。


当日の様子-PHOTO GALLERY-



アーキテクツサロン:バックナンバー
2012年3月9日(金) 北村陸夫氏、赤代武志氏、吉本明
2011年12月13日(火) 第102回:吉村篤一氏(大阪工業大学客員教授、京都女子大学 武庫川女子大学非常勤講師)、吉井歳晴氏、吉本剛氏
2011年7月15日(金) 第101回:矢田朝士氏(ATELIER-ASH代表)木村吉成氏、松本尚子氏、阿曽芙実氏
2011年3月19日(土) 第100回:竹原義二氏(大阪市立大学教授)矢田朝士氏、小山隆治氏
2010年10月16日(土) 第99回:藤森照信氏(東京大学名誉教授、工学院大学教授)